用語一覧
用語一覧
CAD(キャド)とは
Computer Aided Designの略で、コンピュータをつかって設計すること、設計支援ツールなどの意味があります。住宅から高層ビル、茶室から社寺建築まで幅広くつかわれています。
CGとは
コンピュータグラフィックスの略です。
シミュレーションとは
模擬実験などのことで、建築関係では採光、日陰、景観、造形、素材などの検討をするために行われます。模型を使ったり、CADをつかったりします。
Wikipediaとは
Wikipedia(ウィキペディア)はインターネット上の世界最大級の投稿、共有型の百科事典です。
一坪(ひとつぼ)とは
3.3㎡です。畳2枚分、2畳とほぼ同じです。
坪単価(つぼたんか)とは
建築工事において床面積の坪当たりいくら掛かるか算出した金額です。例えば1坪当たり30万円で床面積の合計が30坪だったら1500万円の総工費となります。この場合、坪単価50万円です。
一間(いっけん)とは
1間は1.818mです。1.82mに簡略化する場合があります。
1間は6尺にあたります(1尺が0.303m)。
畳の長手方向の長さに近く1.82mです。
1.82m×1.82mで一坪になります。
例えば尺貫法(しゃっかんほう)の3尺(0.91m)を基準に部屋を造った場合。
1間×1間は1坪です。イコール2畳です。
2間×2間は4坪です。イコール8畳です。
尺貫法とは
長さの単位を尺、質量の単位を貫、体積の単位を枡とする日本古来の単位系。
1尺(いっしゃく)とは
1尺は約0.3m(=30.3cm)で6尺で1間になります。
1石(いっこく)とは
体積の単位で、木造大工の世界では1尺×1尺×1尺で1石となります。
人工(にんく)とは
工事における人員数のことです。
人工、施工費、職人手間、工賃など見積もり上で様々な言い方があります。
モデュールとは
基準寸法のことで日本では古くから3尺モデュールが使われてきました。廊下の幅や、布団を3つ折りにして丁度良く入る押し入れなど。
モジュロールとは
フランスの建築家ル・コルビュジエが黄金比を取り入れたりして考え出した寸法体系です。
駐車場の必要面積は
2.5m×5m=12.5㎡あれば乗用車一台は大抵収まります。
ギリギリで2.2m×5mの場合もあります。
大地震(だいじしん)とは
マグニチュード7以上の地震ことです。放送では「おおじしん」と言うかもしれません。
床下浸水とは
一階床の上までは浸水してないが、床下まで浸水した状態のことです。地盤から45cmまで浸水した場合、床上浸水となったり保険会社が調査に入ったりするそうです。
落雷の被害とは
建物に落雷し火災を起こしたり、電気機器に修理不能なほど損害を与えることです。
火災とは
火事などの災害で、自然現象による火災と人為的な火災などがあります。火災の種類によってA火災、B火災、C火災、D火災、ガス火災があります。
A(一般可燃物)、B(油)、C(電気)、D(金属)。
火災旋風とは
大火災によって起こる竜巻ことです。
震度とは
ある観測地点での揺れの大きさを階級にしたものです。
地震のエネルギーの大きさを表したものがマグニチュードなので、2つは異なります。
余震とは
本震のあとにくる地震のことで、震度にして1くらい小さくなるそうです。本震が終わっても気をつけなければいけません。
津波とは
主に地震の影響で起こる高波のことです。決まった到達のパターンはないので注意が必要です。
避難所とは
災害が起きたときに避難するところです。各地域で設定しているようですが、鶴岡市では次の避難所を設定しているようです。
一次避難所
二次避難所
津波一次及び二次避難所
在来工法(ざいらいこうほう)とは
柱や梁で構成された、昔からの用いられてきた構法。
ツーバイフォーとは
2×4とも書き、2インチ×4インチの木材を中心にして、パネルとともに、枠を組んで建物をつくる構法。アメリカで生まれたそうです。
RC造とは
鉄筋コンクリート造のことです。柱、梁、壁、床などを鉄筋コンクリートでつくります。
SRC造とは
鉄骨鉄筋コンクリート造のことです。鉄骨造とRC造を合体させたような構造です。
S造とは
鉄骨造のことです。柱、梁などが鉄骨でできています。
伝統工法(でんとうこうほう)とは
古いお寺や神社、古い民家などを建設するとき用いられた工法。太い柱や梁、土壁などが特徴です。
伝統木構法(でんとうもっこうほう)とは
昔から日本にある木造建築物、法隆寺(ほうりゅうじ)とか、五重塔(ごじゅうのとう)などの長寿命で地震にも強いそれらのエッセンスを蘇らせた構法です。
プレカットとは
木材を専門の工場でコンピュータで制御されて機械などで加工すること。
構造用合板(こうぞうようごうはん)とは
構造上重要な部分に使用され、構造計算で耐力の要素になる合板です。
筋交い(すじかい)とは
垂直方向の部材(柱)と水平方向の部材(土台、梁など)に斜めに取り付けられ、圧縮方向(突っ張り)や引張方向(引っ張り)の力に抵抗する部材のことです。
地鎮祭(じちんさい)とは
敷地の地主(じぬし)の神を鎮め、工事の無事を祈願する儀式のことです。
上棟式(じょうとうしき)とは
上棟祭、建前(たてまえ)ともいう。棟上(むねあげ)を祝う儀式のことです。
竣工式(しゅんこうしき)・新築際とは
落成(らくせい)式ともいう。工事が完成したことを祝う式です。祭事(さいじ)としてお祓い(おはらい)をして清めてもらうこともあります。
玉串料(たまくしりょう)とは
神社や神官に贈る謝礼です。
神棚(かみだな)とは
神を祭るための棚です。設置する場合、東向きか南向きの最上階が望ましいが、そうできない場合、上階でひとが歩いたりしないような場所がよいそうです。
仏壇(ぶつだん)とは
仏を祀(まつ)る厨子(ずし)や死者を祭る祭壇。
鬼門(きもん)とは
鬼が出入りする方向として北東の方角だそうです。
風水(ふうすい)とは
中国で生まれた、思想、占い、学問の一つ。
家相(かそう)とは
中国で生まれた思想、占い、学問の一つ。
専用住宅とは
専用住宅とは法的な用語で、用途が住宅としてだけの建物です(専用住宅でない住宅の場合に、店舗兼併用住宅などがあります)。
注文住宅とは
注文住宅とは設計者、工務店、ハウスメーカー、ビルダー、不動産屋等に希望の住宅を注文して建てることです。構法や間取りなどを自由に計画できます。
建売住宅とは
建売住宅とは会社や工務店が建てた住宅を販売している住宅です。通常、土地をセットで販売することが多いです。
売り建てとは
住宅用の土地を購入したときにあらかじめ、設計者と施行業者が決まっていることです。
独立住宅とは
独立住宅とは一戸建てのことです。
集合住宅とは
複数の住戸が集合して建てられた住宅のことです。アパートやマンション、団地など。また名称に~ハウスとついているものは集合住宅という例が結構あります。
テラスハウス・・・・・・各戸専用の庭をもつ低層集合住宅。
タウンハウス・・・・・・共用の庭をもつ低層集合住宅。
コートハウス・・・・・・建物や塀で囲われた中庭をもつ低層集合住宅。
コレクティブハウス・・・・・・協同居住型集合住宅。高齢者の協同居住など。
コーポラティブハウス・・・・・・協同組合運営方式の集合住宅。
2世帯住宅
同じ敷地内の住居に2世帯入っている住宅のことです。共用部分をどのように取るかは様々あります。
ピロティとは
複数階の建物の一階部分が柱だけの状態などで吹き放ちの空間のことです。
メゾネットとは
集合住宅の1住戸が2層になっている住戸のことです。
スキップフロアとは
床のレベルが階ごとにとってあるのではなく任意の高さにとってあることです。半階に取られていることが多いです。
吹き抜け(ふきぬけ)とは
2層以上の高さをもったスペース・居室のことです。
カーボン・ニュートラルとは
カーボンとは炭素、ニュートラルは中立などの意味で、炭素の取り込みと放出で環境に負荷をかけないという考えのようです。
炭素固定とは
樹木などが空気中の二酸化炭素を幹に炭素として取り込むことです。(取り込んだものは、腐ったり、燃やしたりして再び放出されます。伐採と植林が円滑に行えれば環境にいいと考えられています。)
化石燃料とは
石炭、石油、天然ガスなどのことです。
自然エネルギーとは
再生可能エネルギーのことで、太陽、風力、地熱、水力、バイオマスなどのエネルギーをいいます。
温室効果ガスとは
二酸化炭素やメタンなどのことです。
リフォームとは
改築や増築、補修、修繕、模様替えなどを意味する用語です。日本独特の言い方のようです。
リノベーションとは
リフォームと似た意味ですが、居住空間全体を生まれ変わらせるような意味で用いられているようです。
改築(かいちく)とは
建物の一部を取り壊し、つくり替えることです。改修や模様替えの意味でつかわれることもあります。
増築(ぞうちく)とは
増築は、建物の床面積を工事によって増やすことです。
増改築とは
増改築とは、増築と改築を一緒にすることです。
バリアフリーとは
建物から床の段差などの障害を取り除くことです。
耐震診断(たいしんしんだん)とは
建物を調べたり図面から建物の耐震性を診断することです。
解体(かいたい)とは
建物を取り壊すことです。
ひき家とは
建物の状態はそのままに、専門の工具を使って建物を移動させることです。
廃棄物処理とは
建物を解体などして出たものを処理場にもって行くことです。
分離発注(ぶんりはっちゅう)とは
工事に関わる各業種は、工務店などがとりしきって発注しますが、工務店などを通さず業者に発注する方法です。
建築とは
建築という言葉は伊藤忠太という建築家が作った言葉で、英語のArchitectureを訳した言葉だそうです。ArchitectureはArtとTechを組み合わせた言葉らしく、Art的要素をもった建物を指すようです。建築はいろいろな意味があるようです。
空間とは
空間も分野によっていろいろな意味がありますが建築関係では、ひろがりやその雰囲気といったニュアンスで使われることが多いようです。
シークエンスとは
視点の移動にともない連続して変化する景観のことです。
ヴォリュームとは
容量、大きな塊(かたまり)のことです。
ウォークスルーとは
コンピュータのモニター上などで建物内を歩いているような映像、またはその操作のことです。
エスキスとは
設計の構想のためのスケッチなどのことです。
仕様書とは
設計だけでは補えない部分を、文章や記号、数値によって指示したものです。
設計見積りとは
設計図、仕様書から設計者が過去のデータ、単価の資料などから算出した見積りのことです。
オール電化住宅とは
照明、給湯、調理器具、エアコンなどを電気の力で賄っている住宅のことです。
エコキュートとは
ヒートポンプというシステムを使って、電気でお湯をつくる給湯器。通常、料金の安い深夜電力をつかってお湯をつくり溜めておきます。
給湯器とは
お湯をつくる機器で石油給湯器、ガス給湯器、電気を使った給湯器、太陽熱を使った給湯器があります。
ソーラーとは
太陽光を利用した装置で(1)電気をつくるもの(2)お湯をつくるもの、暖房に使うものがあります。(2)にはアクティブソーラーとパッシブソーラーがあります。
床暖房とは
床かから暖める暖房のことです。石油給湯器を使ったもの、ガス給湯器を使ったもの、電気を使ったものなどがあります。
アスベストとは
石綿(いしわた・せきめん)のことです。
被爆すると中皮種・肺がんなどを引き起こします。
潜伏期間が20~30年あるといわれています。
必要換気量とは
環境衛生上、最低限必要な換気の量(新鮮な外気と室内の空気の入れ替えの量)。二酸化炭素濃度を基準とした居室の必要換気量は、一般に一人当たり約30立法メートル/hだそうです。
シロアリ被害とは
日本では主にイエシロアリとヤマトシロアリが被害をおよぼします。湿潤な木材を食べ、巣をつくり、卵を産みます。最近は乾燥した木材を食べる新種も日本に入ってきてるようです。
コールドドラフトとは
冬などに冷気が窓や壁面にそって床面付近に下がってくることです。普通、北国の暖房の基本で熱負荷の大きい窓際にヒーターなどを置きますが、反対側の壁から暖房すると、コールドドラフトが起きやすくなります。
一酸化炭素中毒とは
ストーブの不完全燃焼、換気のしない木炭コンロなどから発生する一酸化炭素を吸い中毒を起こすことです。自覚症状がないので避難が遅れるそうです。
シックハウス症候群とは
建材から出る物質(ホルムアルデヒド)などによって健康被害が起こることです。
ホルムアルデヒドとは
毒性の高い有機化合物の一つで、接着剤、防腐剤、塗料に含まれている場合があります。その放散量はF☆で表し、F☆☆☆☆がもっとも少ないです。
内断熱とは
断熱を壁内部にとることです。
外断熱とは
断熱層を壁の外側に取ることです。外側と壁内部に断熱をとる2重断熱もあります。
フローリングとは
フローリングはフロアリングと言ったりもします。広い意味で仕上げ材の床材の総称のようです。細かく見れば、合板をつかった床材=合板フロアに対して、無垢材をつかった床材としてフローリングと呼ぶ場合もあります。
合板フロアとは
合板を複数重ねて、表面に薄くスライスした木材を張った床材。フロアーといったりもします。
無垢、無垢材とは
合板や集成材の表面に張物をして本物に見せたものではなく、一つの素材で出来ているものです。
集成材とは
木材の繊維方向を互いに平行に接着剤で接着し、一定の規格材の大きさにしたもの。造作用集成材と構造用集成材があります。
琉球畳とは
正方形の形をした縁(へり)のない畳。もともとは独特の畳表を使用していましたが、現在では普通の畳表を使うこともあるようです。
PBとは
建設関係ではプラスターボードの略で、石膏ボードのことです。12.5mm、9.5mmなどの厚みが一緒に書かれているのが普通です。
ベニヤとは
木目のきれいな薄板、薄くスライスされた板です。ベニヤを何層か接着したものは合板の種類になるそうですが、私の周りでは表面が内装材で使われそうなきれいな合板はベニヤと呼んでいます。ラワンベニヤ、シナベニヤ、ケヤキベニヤ=ラワン合板、シナ合板、ケヤキ合板など。
OSB合板とは
木質ボードの一種でチップが表面にも現れています。
ビニールクロスとは
塩化ビニルを原料とした壁紙のことです。
漆喰(シックイ)壁とは
左官屋が漆喰を塗って仕上げた壁です。漆喰は消石灰に砂、糊、スキなどを混ぜて水で練ったものです。
フラット35とは
住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する住宅ローンの一つです。
耐震偽装とは
構造計算において偽装することです。
構造計算とは
規模や用途によって求められる性能を満たすように、骨組みなどを計画し、それが性能をもっているか計算することです。
建築基準法とは
土地、道路、建物などに関係した法律です。
階層になっていて、法律の下に政令、その下に省令、その下に告示があります。
法律を補うように条例その下に規則というのもあります。
品確法とは
「住宅の品質確保の促進等に関する法律」の略で、瑕疵担保(かしたんぽ)責任と住宅性能表示基準が主な柱の法律です。
瑕疵(かし)担保責任とは
瑕疵とは隠れて欠陥など。請負者の仕事で瑕疵があった場合は請負者がその責任を負います。新築物件の場合は、構造耐力上主要な部分などに10年間その責任を負います。
構造耐力上主要な部分とは
基礎、壁、柱、梁など、屋根などのことです。
耐震等級とは
基準法で定める1.5倍の力に対して損傷しない程度
=耐震等級3
基準法で定める1.25倍の力に対して損傷しない程度
=耐震等級2
基準法で定める力に対して損傷しない程度
=耐震等級1
としています。
確認申請(かくにんしんせい)とは
新築、増築、改築などの工事をするときに法律に適合しているかチェックしてもらい許可してもらうものです。
建て主が建築主事に提出するのですが大抵建築士が代行しています。関連手続き
・完了検査申請
・中間検査申請
・仮使用の承認申請
・定期報告
・建築工事届
・建築物除去届
・計画通知
消防法(しょうぼうほう)とは
火災を未然に防ぐための法律です。建築物の建築許可を行う場合、消防長または消防署長の同意を得なければなりません。
都市計画法(としけいかくほう)とは
無秩序な開発をなくすため国土を区域分けしたもの。大きく分けて都市計画区域、準都市計画区域などがあります。建物の用途を限定する「用途地域」、自然を大切にする地域、道路や公園なども計画する法律です。
三隣亡とは
さんりんぼう「三隣亡または三輪宝」は、明治時代の易者が「よし」を「あし」と読み間違えたため、「あし」の意味に合うような漢字「三隣亡」と変えてしまったようです(地元神社の方も根拠のない俗信としています)。また山形県庄内地方には「一年さんりんぼう」というものがありますが、住宅を建てることは、その家族の事情(成長、受験、転職など)が関係するため気にすることはないとおもいます。「一年さんりんぼう」の発生には諸説ありますが、私が聞いたところ(1)占い好きの庄内地方北部のお寺の住職がさんりんぼうを年にも当てはめて占った説。(2)御祓いの口実に利用した説(3)本家が分家を出すときになるべく、間隔をあけるために考え出された説などがありますがどれも、調査した訳ではないので本当のところはわからないです。(数年前地元でその誤解に取り組まれた団体の提案書のコピーを頂きましたので、転載させていただきます。)
庄内地方の迷信としての「1年中のさんりんぼう」「さんりんぼう」の正しい利用方法についての提案
主催鶴岡設計管理協会
後援田川建設労働組合
後援社団法人山形県建築士会鶴岡田川支部
後援社団法人山形県建築士事務所協会鶴岡田川地区
2002年の午(うま)年は「迷信としての1年中のさんりんぼう」にあたります。その前年に当る2001年に建物を建てた事とする「仮柱」を建てる風習が一部にありますが、私共は現在の暦に記載されております「1日かぎりのさんりんぼう」に理解を示し、「1年中のさんりんぼう」を根絶し、仮柱建設の風習をなくして行く考えの元に、地域関係者一同に会し、フォーラムを開催し意見の一致をした次第ですので、宜しくご理解の程お願い申し上げます。
1998年3月26日開催「さんりんぼうを考えるフォーラム」まとめ
庄内地方の建築着工にかなりの影響を及ぼし、特に山間部の集落に多くのお得意様を持つ大工さん達には大きな痛手となっている「さんりんぼう」は、1998年寅(とら)年もこれにあたり、次に来るのは2002年午(うま)年であり、そのまた次は2007年亥(い)年とされています。つまり、寅年・午年・亥年の順で配列されており、それらは亥年から寅年までは3年、寅年から午年までは年、午年から再び亥年までは5年といったように3・4・5年後ごとに繰り返されてまいりました。庄内型の「さんりんぼう」は「1年中のさんりんぼう」として伝えられていつものであり、現在の暦に記載されておるものは「1日限りのさんりんぼう」であります。1年間を通してのさんりんぼうはあらゆる暦に存在・記載されておらず、一部の人々に誤って伝えられているのであり、昔はそれらを生活の糧としていた方もおられたようですが現在はおりません。
我が国の本来の暦は、「内伝金烏玉兎集(ほきないでんきんうぎょくとしゅう)」安倍清明(あべのせいめい)に源を発し今日に至っております。
現在の暦に記載されている「1日限りのさんりんぼう」は、歴史ある旧暦に基づき1・4・7・10月は亥の日、2・5・8・11月は寅の日、3・6・9・12月は午の日と記載されております。この月は24節気の節から節までの節月のことを表しており、月の切り替えが節入りの日となります。例えば、新暦で1998年11月」12日の「さんりんぼう」は旧暦で9月24日となっており、「午の日のさんりんぼう」と読んでしまいがちではありますが、
実際は「亥の日のさんりんぼう」であります。このような混乱はつまり、24節気の「立冬(新暦11月8日)」が節月の切り替え日となり、ここでいう10月にあたるのです。そうなれば「亥の日のさんりんぼう」で混乱はなくなると思われます。
以上のことから「1日限りのさんりんぼう」は単純な計算では見い出す事が容易でないものであり、記載済みの現在の暦で確認した方が良いと思います。
明治当初「さんりんぼう」は「三輪宝」と記載され「家立てよし」の吉日でした。後に「三隣亡」と記載され誤った暦が出回ったことから、家作り大凶日へ転落してしまいました。それでも暦注に「家作り吉」とあれば、「差し障りなし」とされていました。このような過程をみても如何にこの「さんりんぼう」が根拠のないことであるかが証明され、「迷信」である事を主張するものであります。
鶴岡設計監理協会では昨年7月28日、長年に亘り「さんりんぼう」に関しての資料収集と研究を重ねておられます鶴岡市在住の佐藤氏を講師に招き「さんりんぼう」を考えるフォーラムを催しました。佐藤氏は神職で、且つ長らく山形県のさんりんぼうについて調査し、論文を発表されております。このフォーラムには約40名ほど参加し、「迷信」としてのさんりんぼうについて意見質問など討論し合い、事実を確認してまいりました。その結果「さんりんぼう」全てを否定するものではなく、今日の暦通りに「1日限りのさんりんぼう」としてこれらをうまく利用し、その方法として一つ述べさせて頂くとすれば、大安日と日曜祝祭日が重複する日は年間約11日あります。この重複した日に上棟式や竣工式などを行った場合、大工さん達には休日がなくなり作業の安全第一に支障をきたしてしまいます。そこで、年間約31日ある「1日限りのさんりんぼう」の日を利用し代休とすればそれを避けることができ、工程も滞りなく進み良いのではないかと提案させて頂くものであります。上記の通り皆様方のご理解を賜りたくお願い申し上げます。※この資料についての個人名は、サイト管理者の判断により伏せております。なおお気づきの点がございましたらこちらにメールを送信していただければ幸いです。